急行「津軽」(53-10改正時)

※このページの記述には、一部フィクションが含まれています(笑)。

昨夜上野を発った急行「津軽3号」は、朝の奥羽本線をひた走る。寝台車ではあらかたの乗客が起き出し、そろそろ寝台の解体も始まる頃だ。

急行「津軽3号」

出稼ぎ帰りらしい、たくましい顔のおじさんたちが見つめる車窓には、今まさに実りの秋を迎えた黄金色の稲穂がゆらめく。
「今日は稲刈り日和だなぁ」
お国訛りの言葉が飛び交う車内はもう、ふるさとの空気が漂っていた───。

1.編成のプロトタイプ

時代設定は、普通座席車が12系に置き換えられた直後の1978(昭和53)年10月〜12月、6号車にオハフ13が組み込まれていた時期です。
模型化した3・2号の編成では、上野寄りに連なる5両の旧形車のうち、3両あるB寝台車にそれぞれ形態の異なるタイプを選び、グリーン車のスロフ62もスロ62改造で製作してあります。
さらに2往復あったうちのもう一方、1・4号も再現出来るよう、荷物車のマニ37も用意しました。

2.編成図

←上野 青森→
津軽3・2号
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
オハネフ
12 2096
オハネフ
12 2060
スロフ
62 2005
オロネ
10 2073
オハネフ
13 2602
オハフ
13 38
オハ
12 336
オハ
12 205
オハ
12 196
オハ
12 207
スハフ
12 151
上野−秋田
(秋アキ)
上野−青森
(北オク)
津軽1・4号
マニ
37 2018
(3〜11号車は上の車両を共用)
上野−青森
(北オク)
 牽引機は、上野-黒磯:EF58[宇]、黒磯-福島:ED75[福]、福島-山形:EF71+ED78[福]、山形-青森:ED75[秋]。

各車共通の仕様
・マニ37はGMキット、他はKATO製品加工
・室内灯(LED+CRD)装備(マニ37は電球色、他は白色)
・緩急車は消灯スイッチ付テールライト(赤色LED)装備

3.各車の紹介

では、編成を構成する各車両を1号車から順にご紹介します。

説明文は、上段:実物、下段:模型 です。
※枠付き画像をクリックすると、大きな画像がご覧になれます。
1号車 オハネフ12 2096
軽量寝台車のトップを切って製造されたナハネ10を、緩急車化・冷房改造した形式。
そのうち、一歩遅れて特急「あさかぜ」用として登場した増備車10両(ナハネ10 91〜100)は、妻面のリブが無くなっている。これらはのちにオハネフ12 91〜100(一部2000番台)となってからもその特徴を残していた。
KATO オハネフ12の妻面を加工したもの。妻面の縦トイ・点検フタを残した全てのディテールを削り取り、ステップ・配電盤カバー・テールライト(位置を外側にずらす)・幌吊りなどを付け直してある。
また床板も、薄い蓄電池箱と燃料タンクに厚みを付け、電暖トランスなどの足りない機器を追加している。
2号車 オハネフ12 2060
こちらは一般的なオハネフ12。妻面に補強用のリブがあるタイプ。
ナハネ10 1〜90のほか、北海道用の501〜510が製造され、のちにオハネフ12となった。なお、一部一般車4両が北海道向け改造を施され、511〜514となっていた。
緩急車化の際、デッキ寄りの寝台1区画を車掌室に変更したが、のちの冷房化ではこの部分に冷房を付けなかったため、屋根には1つだけ扇風機カバーが残る。
こちらもKATOのオハネフ12だが、今のところ中間用のため、車体はドア脇に手すりを付けた程度。床下は1号車と同じ加工がしてある。
3号車 スロフ62 2005
オハ61を元に作られたグリーン車。オロフ61を冷改したもの(2001〜2015)とスロ62を緩急車化改造したもの(2016〜2033)があるが、形態は同じ。
妻面にはテールライトと、手ブレーキのカバーがある(カバーは無い車両もあった?)。
シートピッチと窓ピッチが合っていないため、シートの背ズリが窓から少しずつずれて見える。
KATO スロ62の妻面を加工、テールライト取り付け改造をしたもの。
床下は、水タンクを軽量寝台車タイプに付け替え、消火器箱などの一部機器を追加、そして端部には鋼体化改造車独特の端梁も表現している。
4号車 オロネ10 2073
マロネ29などの戦前形2等寝台車を置き換えるために登場したプルマン型寝台車で、設計はナロネ21を基本としている。冷房ダクトを通した深い屋根と大きな固定窓が特徴。
1〜91の一般型(一部2000番台)と501〜506の北海道型があった。
KATO オロネ10がベースで、車体はドア脇に手すりを付け、屋根を濃いグレーに塗装した程度。
床下は蓄電池箱の厚み増大、電暖トランス・消火器箱を追加したほか、燃料タンクを自作パーツに交換している。
室内はB寝台車に合わせて寝台状態とし、シーツなども表現している。
5号車 オハネフ13 2602
観光団体列車用に製造されたナハネフ11を冷房改造した車両。
オハネフ13 2601〜2616の16両があり、団体運用が無くなってからは一般の夜行急行に使われていた。
形態はオハネ12に車掌室を付けた形だが、車掌室は通路側にあり、オハネフ12とは反対になっている。
KATO オハネ12をベースに、デッキ隣りの窓を変更、妻面を加工したもの。
床下では蓄電池箱をGM製に交換、水タンクを移設したほか、自作の燃料タンク・電暖トランスなどを取り付けてある。
6号車 オハフ13 38
新系列の急行型客車。当初は万博輸送や臨時急行に使われていたが、昭和50年代半ばから再増備され、残っていた定期急行の旧型普通車を置き換えていった。
車体は急行型電車を基本にシートピッチを拡大したもので、自動ドア・空気バネ台車を装備している。また旧型車との併結も考慮され、蒸気暖房・電気暖房の引き通しを持つ。

オハフ13は発電装置を持たない緩急車。
7〜10号車 オハ12 336・205・196・207
オハ12は中間車。
11号車 スハフ12 151
スハフ12は編成全体の電源を供給するため床下にディーゼル発電機を装備している。この151は発電容量を 増大させ、6両給電とした 210kVAに増大させた、改良タイプの100番台。
12系は、KATO製品を小加工したもの。
車体はそのまま、床下もトイレ流し管・スハフの消火器箱・つなぎ箱等を追加した程度。
荷物車 マニ37 2018
新聞輸送の合理化のため、パレット搭載も可能とした荷物車。車体色は青15号で、室内床は平らな鋼板張りになっている。
なお「津軽」では、マニ36と混用されていたためパレットは使われず、荷物はバラ積みされていた模様。
この2018はスロ60改造で、車掌室側妻面が食パン(キノコ)型になっている。
GMマニ37キットを組み立てたもの。旧作を今回整備した車両で、車体は手すりを別付け化した程度。
台車はKATOオハ47用を用いて集電可能とし、床板には穴を開け、上面に通電板を付けてテールライト・室内灯(TOMIX加工)に導電している。
また床上にt0.5プラシートを乗せて床面を表現、仕切等も付けてある。

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