エッチング側板コンバージョンキットを組む

1.〜2.

1.側板の切り出し・窓枠貼り付け

題材にするのはこのキットです。


レボリューションファクトリーのスユニ60キット。(ただし旧製品)
いわゆる側板コンバージョンキットで、真鍮エッチング製です。
付属の説明書では接着剤でも組めると書かれていましたが、ここではハンダ付けで側板を組み立てます。

※これは旧製品で、妻板等の細かい部品も付属していました。現行品は妻板等が無く、窓枠が一体になった内板をベッタリ貼り付ける、一般的な構成になっているようです。
※この時はレイルロード製2両と合わせて3両同時に組みましたが、レイルロード製は絶版になって久しいため、このハンダ付工程の解説にはレボリューションファクトリー製を選んでいます。



まず最初に、使うパーツを切り出します。


デザインナイフで切り出し中。
下にやや厚めのプラ板(t1.0)を敷いて、デザインナイフの刃先で繋がった部分を押し切ります。
当然刃先がすぐ欠けますので、適宜交換しながら切り進めていきました。
また場所により、パーツに無理な力が掛かって変形するおそれがあるので、切る順番は良く考えた上で決めた方が良いです。

主要パーツを切り出したら、切断跡を目の細かいヤスリで仕上げておきます。うかつに引っ掛けると曲げてしまうことがあるので、引っ掛かりにくいダイヤモンドヤスリが最適でしょう。


切り出しが済んだら組立てに入ります。
最初に付けるのはこのパーツです。

レイルロード製の2段雨樋。今は他メーカーからも製品化されています。
キャンバス屋根の旧型車両に付く、ごつい2段雨樋のパーツです。
このキットには含まれていませんが、仕上がりに大きく差が出ますので、取り付けておくことにします。



雨樋貼り付け中。
あらかじめパーツ裏にハンダメッキしてから、側板の取り付け部にフラックスを塗り、画像のようにゼムクリップ等で固定して裏返し、左から右(右利きの場合)へコテを当て、雨樋のハンダを溶かして付けていきます。
ずれるのが怖いからと先に各部を点付けしてしまうと、雨樋が熱で延びた分の逃げ場が無くなり、波打って付いてしまうので要注意です。
この時はコテを当てる部分にも軽くフラックスを塗っておくと、良く熱が伝わりハンダが溶けやすくなります。また下に敷く板(カマボコ板)は複数用意し、左右にゼムクリップを避けるように敷いて作業しました。


取り付け後。
上下の位置は、パーツ上辺が少し出るくらいにしておきます。
この上面の段差に屋根を落とし込むようにすれば、側板と屋根の隙間が隠せるので、仕上がりが美しくなります。



雨樋取り付け後の側板と、窓枠パーツ。
つづいて窓枠パーツ(一部扉のスペーサーと一体)を付けていきます。


窓枠兼荷物扉スペーサーを仮止めしたところ。
表の窓枠の具合を見て慎重に位置決めし、クリップでとめたら、1か所チョンとハンダ付けして仮止めします。


本格固定後。
再び表を見てずれていないか確認した後、要所にハンダを流して固定しました。
なおこの際は、中央から周辺へ順にハンダごてを当て、熱による「延び」を逃がすように付けていきました。このキットの側板は薄めなので、こういった対処をしないと側面がへろへろになってしまうと思われます。たくさん開いている穴は、おそらく軽量化のためでしょうから、全部にハンダを流す必要はありません。
いっぽう扉の周囲は、しっかりハンダを流して強度が出るようにしておきました。

他の窓枠も順に付けていきます。

窓枠をクリップで止めたところ。


こちらは裏面。


仮止めしたところ。
こちらもまず1か所で仮止めして、位置を確認したのち・・・


ハンダ付け後。
四隅とその中間あたりにハンダを流して固定。
他の窓枠も同様に付けていきました。


全ての窓枠を付け終わったところで、側板の様子を確認してみました。
すると、窓枠の付かない中央部の強度がいまひとつ足りないように思えました。
そこでひと工夫。


中央部の上下に帯板を貼り付け。
中央部の上下に帯板(t0.3真鍮板、他キットの枠より)をハンダ付けすることにしました。
これでずいぶんしっかりしたようです。
わざわざこんなことをしなくても、あとで厚み調整用のプラ帯板を貼り付ければ十分な強度になると思いますけど。(^^;ゞ)

2.扉の取り付け・ディテーリング

次は扉を貼り付けます。
まず荷物扉から付けますが、これには付属パーツではなく、イエロートレインのパーツ(YP592)を用いました。実車では扉上部に凹みが無いものが多いためです。

これを仮にあてがってみたのですが、そのままでは扉の凹み具合が若干足りないような気がしました。
そこで0.2mm厚のスペーサーを追加したものと比較してみました。


右:キットのまま、中央:0.2mmのスペーサーを追加したもの。左は先に組んだレイルロードのスユニ61です。
実物の写真と見比べてみても、中央の0.2mm深くしたものの方がしっくり来る感じです。
ということで、スペーサーを追加することにしました。


スペーサーを付けているところ。
スペーサーにはエッチングパーツの枠を用い、コーナー部分からL字型に切り出して、2組向き合うように付けてみました。
上部、角のRが付く部分ははみ出すように付けてから、ヤスリで削って合わせています。


扉貼り付け後。
そしてその上に、扉パーツをハンダ付け。
あらかじめパーツの左右はヤスリで削って枠に合わせておき、ハンダ付け時は十分熱を掛けてハンダが良く流れるようにします。
ただしハンダの量は必要最低限にし、表にはみ出さないようにしています。ここへはみ出すとあとで削るのが大変です。こういった隅や窓枠周囲にはみ出したハンダは、塗装後にも目立って印象が悪くなるので気を付けた方が良いです。(^^;)


いっぽう、車端のデッキ部分は3種の構成から選べるようになっていました。


デッキ部分の構成パーツを並べたところ。
右から、a.折り曲げスペーサー、b.扉、前2つを組み合わせたもの、c.扉(みみ付き)、d.ベタ付けスペーサー。(各々勝手に命名)
3種の構成とは、以下のようなものです。
 1.a、bを組み合わせてイモ付け(画像中央の状態)
 2.cの四隅を90°折り曲げてイモ付け
 3.cを折り曲げず、dを介してベタ付け

当初は1.の方法にするつもりでしたが、実際に折り曲げスペーサーを介してあてがってみたところ、側板開口部の幅に若干足りないようでした。
2.の方法でも同様に幅が足りないように思えたので、結局3.の方法しかなくなってしまいました。(苦笑)

ただし、dのスペーサーだけでは荷物扉同様に厚みが足りないと感じたので、代わりにt0.5とt0.2の2枚の帯板を重ねて貼り付けることにしました。


スペーサーを貼り付け、ヤスリ調整が済んだ状態。
この時はまずt0.5を付けたのち、開口部に合わせて削ってから、その上にt0.2を貼り重ねて左右を0.2mmほど出るように仕上げることで、実物の「戸当たり」を表現しています。


扉貼り付け後。まだ下端は仕上げていない。
そして扉をハンダ付け。ここもしっかりハンダを流しています。
その後、下端を裾と揃うまで削ってから、扉下部のみさらに削り込み、凹みを表現します。


下端を仕上げたところ。
そして最後に、下部へL型に曲げたt0.1燐青銅板をハンダ付けしました。
これで扉下部の凹み奥のけこみ板と、その下の踏み板を同時に形成するわけです。


それが済んだらディテールを取り付けます。
車端の手すりと扉の取っ手をそれぞれφ0.2の線材(デッキ脇のみ洋白、他は真鍮)から作って、裏からハンダ付けしていきます。


車端の手すりを取り付け中。
郵便室側車端の手すりを付ける際は、画像のように適当なアルミ材をスペーサーにしてセロハンテープで仮止めしながら付けていきました。
なおこちらの車端部には、補強のためt0.1燐青銅板を貼り重ねておきました。薄いですが軽く丈夫に仕上がったようです。


仕上がった側板。
最後に裏面をヤスリで仕上げて、側板の工作は終了です。


扉付近を拡大。
扉の仕上がり具合は画像のような感じです。
はみ出したハンダはマッハのキサゲ刷毛(φ0.06)等を用いてきれいに削り落としてあります。


裏面。
裏面では後の組立ての際に邪魔にならないよう、手すりの線やハンダの盛り上がりを丁寧に削っておきました。

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