15.塗装
塗装の準備として、分解した各パーツを洗浄します。
ボディーは側板が金属なので、まず酸洗いののち古歯ブラシにクレンザーを付けてこすり、表面に微細なキズを付けて塗料の食い付きを良くしました。
(ちなみに酸洗いには通常用いているサンポールを切らしていたので、金属ハンダ付け用のフラックスをぬるま湯で薄めて用いました。またクレンザーはクリームクレンザーを使うつもりがこちらも切れていたので、粉クレンザーを用いています。どちらも“代用品”ですので、出来ればしっかり入手して使った方が良いです。)
床板は同様に酸洗いののち台所用洗剤で脱脂します。
台車枠はクレンザーで研磨し、塗料の食い付き改善を狙ってみました。
洗浄して塗装準備を整えた各部品。 台車枠もクレンザーでこすってつや消しになっています。 |
洗浄後は水滴をティッシュで良く吸い取ってから充分乾燥させます。
乾燥後はボディー妻面や床板の金属パーツにプライマー(マッハのメタルシールプライマー)を筆塗りし、それが乾いたらボディーの屋根と妻板をマスキングします。
準備が出来たら塗装開始です。
塗装はセオリーどおり、晴れて風が無い日の日中に行いました。
両面テープで割り箸に付け、塗装準備が整ったボディー。
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塗装用具はタミヤのスプレーワーク(初期製品)で、画像のように割り箸の先に両面テープで塗装物を固定したら、ブロワーブラシでよくホコリを払っておきます。
吹き付けはまずプライマー(マッハのメタルシールプライマー)から行います。
これを市販のラッカーシンナー(カンペハピオ社のラッカーうすめ液、ホームセンターで入手)で少し薄めて、ボディー側面と台車枠に吹き付けます。
プライマーを吹き付けたボディー。
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ボディーは金属の側板の表と裏に吹き付け。
別角度から、拡大。
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塗膜は以前より厚めにし、サビ防止を狙いました。
ただこれがあとで問題を引き起こすことに・・・
別塗りの貫通扉(上)と、台車枠(下)。
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妻面に付く貫通扉と台車枠にも吹き付けました。
台車枠の方は吹き付け直後にドライヤーの熱風で“強制乾燥”させ、食い付き向上を狙っています。
2時間ほどしてプライマーが乾いた(と思った)ところで、ボディー側面をマスキング。
室内に白緑を吹いたところ。
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そして、室内に白緑(クレオス【62】つや消しホワイト+GM【13】緑2号+クレオス【4】イエロー少々)を吹き付けました。
屋根塗装後。
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続けて屋根に屋根色(GM【35】ダークグレー+クレオス【33】つや消しブラック+【42】マホガニー、【30】フラットベース)を吹き付けます。この際は後半にやや濃いめの塗料を遠くからまぶすように塗り、キャンバス屋根のざらざら感を表現しています。
それが乾燥したら、マスキングを剥がします。
屋根まで塗って、マスキングを剥がしたところ。(上はついでに塗ったMODEMOのスハ32W。)
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ボディーはプライマーを厚めに塗ったので、かなり黄色くなっています。
ここで仕上がりを確認してみると・・・
側板表面を拡大。
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側板の塗膜表面になにやら跡が!
どうやらプライマーの乾燥が不十分だったようで、わずかに表面にマスキングテープの跡が付いたようでした。
当日は気温が低めだったのが原因のようです。
しかし触ってみたところ、段差などは付いていないようだったので、そのまま塗装を進めることにしました。
貫通扉を接着。 |
この段階で妻面に貫通扉を接着しておきます。
用いた接着剤は黄色いゴム系です。
次は床板・台車枠・幌枠・ベンチレーター・テールライトカバーにつや消し黒(クレオス【33】つや消しブラック)を吹き付けます。
塗装が終わった床板他のパーツ。
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その他、室内仕切はボディー室内と同時、イス板は屋根と同時に同色を塗っています。
それからボディーは屋根と室内をマスキングして、側妻面をぶどう色2号に塗ります。
塗料はGM製が第一に思い浮かぶと思いますが、イメージよりくすんだ感じでいまいち気に入らなかったので、調色したものを用いました。
調色はその場で様子を見ながら調整した結果、クレオス【131】赤褐色とGM【2】ぶどう色2号にクレオス【3】レッドを少々加えたものが良い感じになったので、それを吹き付けています。
塗装は順調に進みましたが、この日は後に用事があったため、7割方塗ったところで時間切れとなってしまいました。
7割方塗装が進んだボディーをKATOのオハ47と比較。
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帰ってから塗り途中のボディーを見てみると、思ったより明るめになったように思えました。
あまり明るいとオモチャっぽい感じになってしまうので、これに塗り重ねる色はもう少し暗めに調色しなおすことにしました。
日を改めて再塗装、今度は調色から行います。
最初に塗った色はGMぶどう色2号を入れ過ぎたようだったので、今度はクレオスの【131】赤褐色に【29】艦底色を加えて彩度を上げたところへ、クレオス【33】つや消しブラックを加えて彩度をちょっと落とし、さらに仕上げとしてGM【2】ぶどう色2号をちょびっと入れ、明るさを調整してみました。
塗装後は実に深みのある綺麗な色に仕上がり、心配していたプライマーの艶ムラも気にならないレベルに落ち着きました。
そしてニヤニヤしながら後片づけしたあとしばし休憩タイムを挟み、3時間ほどしてから塗り上がったボディーを見てみると・・・黒いのです。
乾燥が進んだ結果、色味が濃くなったようでした。
これ以上塗るとボッテリしそうだったのと、それよりもう塗り直す気力が残っていなかったため(^^;)、やや不本意ながらこれでガマンすることにしました。
本当にこだわる方なら剥がして塗り直すのでしょうけれど・・・。
続いてはレタリングです。
市販のインレタを用い、ボディー各部に表記を入れていきます。
妻板に検査表記を転写しているところ。
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車掌室側の妻面では検査表記が手すりに分断されますので、インレタを細かくカットして転写しました。
なおこれを止めるのに用いるセロハンテープは、事前に何度かベタベタ触って粘着力を落としてから使っています。
インレタ転写が済んだ3両。
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用いたインレタは、車番と荷物・郵便表記がGMのNo6311 客車(郵便・荷物車)、他はくろま屋の郵便車用Aなどです。
(現在はレボリューションファクトリー他から各種出ています。)
それにしてもこのスユニ60・61は表記が多くて大変でした。郵便表記は何度も失敗して2種のインレタが混じっています(笑)。
ちなみに車番と所属はそれぞれ
1両目:スユニ60 2037(仙コリ)
2両目:スユニ61 2017(仙コリ)
3両目:スユニ60 2011(仙フク)
としています。
転写が済んだら半艶に調整したクリアーを吹き付けて、レタリングを保護しておきました。
その後は各部に色差しします。
色差しが済んだスユニ60の車掌室付近。
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HゴムにGM【9】ねずみ1号、扉の取っ手にクレオス【9】ゴールド、デッキ扉下の踏み板にクレオス【33】つや消しブラックを面相筆で塗りました。
幌枠とテールライトカバー。
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小パーツにも色入れします。
幌枠の布部分にGM【35】ダークグレー、テールライトカバーのLED部分に屋根と同色を塗ります。
テールレンズ。 |
φ1.0の光学繊維から作ったテールライトレンズにはクレオス【47】クリアーレッドを筆差し。
台車集電板。
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台車集電板は、プレス抜きのカエリをペーパーで落として洗浄したあと、プライマー>つや消しブラックと塗りました。
最後にウェザリングです。
一般的にはこれも吹き付けにて行う場合が多いのですが、ここではパステル粉を筆でこすりつけてお茶を濁します。
当然触れると落ちてしまいますが、つや消し塗装の上なら少し残りますので・・・(^^;)
粉にしたパステルと、こすりつけるのに用いる筆。
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用いたのはいわゆるハードパステルで画材店で入手したものです。
黒の他、茶系統の色を複数用意し、カッターを立てて削った粉を使い古しの傷んだ筆で床板と台車枠にこすりつけていきます。
ウェザリング前後の床板。上が作業後。
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床板はホコリっぽい色に調整したものをすりつけました。
画像はスユニ60のものですが、魚腹台枠の仕上がり具合はこのような感じです。
こちらは台車枠、下が作業後。
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台車枠は、軸受周辺にサビを模した赤っぽい色を、全体には床板と同じホコリっぽい色を付けてみましたが、自己満足の世界ですね・・・。
以上で塗装関係の作業は完了となります。
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