電球テールのLED化

左:製品のままのナハネフ22、右:白色LED化したカニ21 従来鉄道模型には、光源として電球が主に用いられ、LEDは赤や黄色のものが一部製品のライトに使用される程度でした。
しかし最近になって、LEDにも白色や電球色などいろいろな色のものが出回るようになり、完成品にもちらほら使われるようになってきました。また、別売りの室内灯も白色LEDを用いたものが各社から製品化され、ファンの間にも浸透しつつあるようです。

ところが、ヘッド/テールライトに関しては、まだまだ電球装備の製品も多く、特に白色室内灯を装備させるとその色合いや光り方の差にがっかりすることもありますね。

そこで作者は、電気街などで入手したバラ部品を使って、完成車両のライトをLED化してみました。ただ、それだけでは芸がない(笑)ので、電流制限に新しい素子であるCRD(定電流ダイオード)を用いてみました。
既にお好きな方はこれらを用いて加工されていらっしゃると思いますし、他サイト様でも紹介されておりますが、ちまたでは何故か機関車や電車の作例が多いようです。そのためここでは、作者が今凝っている(^^;)、客車のテールライト・テールサインに的を絞ってお送りしたいと思います。

※現在、以下に紹介しているのは12系・スロフ81・20系の3系列(いずれもKATO)です。

CRD・LEDについて

まずは加工に用いたLEDとCRDについて、少々説明しておきます。

この加工にあたっては、現在一般に入手出来る、下の画像のようなLED・CRDを準備しました。


上3本がCRD(上から5.6、10、15mA)、下2つがLED(上が赤色、下が白色・どちらも 3φ高輝度タイプ)。

LEDを光らせた様子。どちらもかなり明るい。
ちなみにいずれも広角タイプです。
一般的な市場価格は、CRDは一つ50〜100円、赤色LEDは一つ10〜20円くらい・白色LEDは100円前後でしょうか。(2005年初頭現在)

鉄道模型では普通0〜12Vの直流を用いるため、耐電圧が2〜5Vと低いLEDを使うには、何らかの電流制限が必要となります。
従来はこの電流制限に抵抗を用いるのが一般的でしたが、ここでは前述のようにCRD(定電流ダイオード)を用います。このCRD、その名のとおり電流を一定に制限する素子で、最近になって電流を多く流せるもの(〜15mA)が流通しはじめ、定格電流が5〜20mAのLEDには打ってつけとなりました。

CRDには抵抗とは大きく異なる特長があります。それは“流れる電流が電圧に関わらずほぼ一定”になることで、実際には動力車が動き始める(モーターが回り始める)かどうか、くらいの電圧でも、各ライトをかなり明るく光らせることが出来ます。
また逆に明る過ぎる場合には、CRDを電流の少ない物(5.6mAなど)にし、明るさを抑えれば良いわけです。

CRD 図1 各パーツ接続図
接続方法はいくつかありますが、客車のテールには図1のようにCRD・LED、そしてダイオードを直列につなぐのが簡単で良いと思います。この中で、ダイオードは逆電圧からLEDを保護するためのものです。これは、CRDが逆向きの電流をほぼ無制限に流してしまう性質を持っているためで、ダイオードは前進時、CRDを通ってLEDに最大12V弱の逆電圧が掛かるのを防ぐ役割をしています。

なお、ここでは電球付き車両を加工対象にしているので、このダイオードは元から付いていたものを流用しています。

以下、各車両への取り付けについては、下の「加工例」をご覧下さい。

加工例

1.KATO 12系
2.KATO スロ81系
3.KATO 20系

おわりに

最後に今回工作中に感じたことです。
カニ21への取付けが終わり、未取付のナハネフ22と並べて通電した時(このページ最初の画像のような場面です)、急に電球のテールサインが「異質なもの」に見えて来てしまいました。
それまではそんなに気にならなかったのですが・・・。(^^ゞ;)
テールサインの白色LED化は、作者にとってそれほどまでにインパクトが強いものでした。

上で紹介した形式の他にも、作者のところでは14系や24系ほか、電車を含めてたくさんの車両が電球付きのまま残っています。
LED化の効果を体感してしまった身としては、それらも放っておく訳にはいきませんし(笑)、追々時間を見て、加工していきたいと考えています。
・・・それから、キット等に自分で組み込んだ電球もありました。そちらも何とかしないといけませんねぇ〜。( ̄〜 ̄;)

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