リトルジャパン スユニ61キットを組む

15.床下機器の加工

床下機器を取り付ける前に少し加工します。

ここでは多数派だったオハニ61改造車(作例は2111番)の床下機器配置に仕上げる工程を解説したいと思います。

!注意
作例ではこのオハニ61改造車の床下パーツに、後発のオハユニ61用のものを用いています。
このオハユニ61用パーツ、基本的には本来のスユニ61用と共通なのですが、一部改良点があり、若干形状が異なっています。
その変更点をうまく活用するために、パーツを振り替えて組むことにしたわけです。

したがって、本来のパーツを使用する場合とは一部工程が異なるところがありますが、以下の解説では、その場合との相違点も記します。


上:ブレーキシリンダー
下は水揚空気タンク。左:未加工、右:加工後。
まずブレーキシリンダーの側面にある凹みを、サーフェイサーで埋めて修整します。
つづいて水揚空気タンクの取り付けボスをカットし、取り付け足を画像のように加工。
片端を横梁に乗せられるようにします。(乗せた状態は後ほど)


床板の加工状態。
次に床板のモールドを一部削ります。(画像の○部分)
ついでにスイッチのスリット端を修整しておきました(矢印)。

それから取り付け用の孔を開けます。


取り付け孔の加工。黄色部分は間違いで、後で埋めています。
一部は取り付け位置を指定と変えるため、写真を見ながら孔の位置を決めています(○部分)。
■位置変更する機器(詳しい位置については下で解説します)
 ・付加空気タンク(B13)
 ・補助空気タンク(A5)
 ・水揚減圧弁箱(A2)
 ・水揚空気タンク(A1)※孔開けず
 ・各流し管(A3、A6)
 ・水タンク(B14)※孔開けず

なお、作例では蓄電池箱とその隣りの配電箱にGM製パーツを用いることとしたため、取り付け孔を一部埋めています。
キット付属品を用いる場合は、キットの指定通りに開けて下さい。


帯板を追加した水タンク。
水タンクは両端面を整えた後、下面にt0.1プラ材で帯板を追加しておきました。
(実物では無いような資料もあるのですが・・・気持ち悪いので付けてしまいました。)

ここで注意して欲しいのは、取り付け足の長さです。


足の長さ比較。
左のスユニ61用より、右のオハユニ61用の方が0.8mmほど長くなっているのです。
すなわち、そのままではつり下げ位置が上になってしまうわけです。


前後の位置の比較。
いっぽう、前後方向の足位置は共通です。
ところが・・・


水タンク取付孔の変化。改良後のオハユニ61キット用床板です。
取り付け孔の位置が変わっています。
具体的には1mmほど電池箱寄りにずれているようです。
もっとも、オハニ61改造車にする場合はさらに違う位置に変更しますので(電池箱の間までずらす)、この項では関係ありません。
(次項、オハユニ61改造車の加工では関係します)

以上の点を踏まえ、取り付け足を加工します。


右が足をかさ上げしたスユニ61キットの水タンク。
元の足の左右にt0.5プラ片を追加し、足を“かさ上げ”します。
高さは元の取り付けボスの上端に揃えました。

また、上部の凹みが横から素通しになって不自然なので、中央にプラ板を立てて見通せないようにしています。


床板の加工状態、ただし画像はオハユニ61用パーツを用いています。
床板側は横梁を一部削り取っておきます。
画像はオハユニ61用を用いているので、ブレーキ引棒がつながっている上に取り付け孔を開けてありますが、本来のスユニ61用パーツを用いる場合は、横梁を一部削り取ったあと、下の画像のようにt0.5プラ板で足の位置以外の引棒を復元するだけでOK(矢印)。孔は不要です。


スユニ61用パーツの加工状態。ただし位置は次項オハユニ61改造車の位置になっているので注意。
こちらは次項、オハユニ61改造車の加工状態です。
オハニ61改造車にする場合は引棒の途切れる位置が違いますので注意してください。

そして、水タンクを取り付けた状態は、下の画像のようになります。


上がオハニ61改造車(2111番)の水タンク位置。
下は次項オハユニ61改造車の位置。
画像上のように、蓄電池箱に挟まる形になります。
なお、画像右の方、矢印部分の途切れた配管は、半丸にしたランナー引伸し線で復元しておきました。


それから、ブレーキシリンダーに付いた配管を作り直します。


新製したブレーキシリンダーの配管。
新しい管はφ0.4真鍮線を用い、支柱も同じ材料で作ってハンダ付けしておきます。
>φ0.4ではやや太めだったので、次項オハユニ61改造車ではφ0.35線を用いています。
この際、切り取ったもとの配管に残ったコックなどを再利用するため、φ0.4孔を開けてカットし、新しい管に通しておきました。


シリンダーと共に床板へ取り付けたところ。
これをラジオペンチで曲げ、孔を開けたシリンダーに接続。
他端と足は床板に孔を開け、うまく固定出来るように調整しておきます。


上から。
上から見ると、画像のようになります。


他の機器も付けてみた状態(上)。下はキットのまま。
配管の形が異なっているのは、隣りに付加・補助空気タンクが付くためでしょう。
やや難しい加工ですが、これを付けておくと細密感が違います。
(作例では必死になって加工しました(苦笑))

また、洗面所の流し管(ブレーキシリンダー左上)と、トイレ内の手洗い器の流し管(画像中央)を作っておきました。
φ0.4真鍮線とt0.1燐青銅板をハンダ付けした簡単なものです。


続いて電暖トランスとヒューズ箱を作ります。
市販パーツを用いる場合、また非電暖車にする場合は不要な工作です。


トランス本体を製作中。
まず、トランス本体はプラ材の積層から切り出します。
2.5mm厚(1.0x2+0.5)・3.2mm幅のプラ角材をレザーソーで3.5mmにカット、断面を整えて、W=3.2、H=2.5、D=3.5mmの直方体とします。


足とディテールを付けているところ。
足はt0.3の細帯板2枚(0.7及び1.0mm幅、後者は一角をテーパー加工)を重ねて、固着後に0.7mmにカットしたもの。
この段差部分を本体の角へ噛ますように接着します。
前後しますが、本体の前面にはt0.5、2.3x2.7mmの板を付けます。

それから前面の板にt0.1の小片(0.2mm角くらい)を4つずつ付け、さらに足から本体をぐるっと囲むようにt0.1の帯板を貼り付けて、“バンド”を表現したら出来上がり。


製作中のヒューズ箱。
ヒューズ箱は、t1.0の帯板にt0.5・1mm幅の細帯板を付けてから両サイドをそれに合わせて削り、t0.1の突起とランナー引伸し線の“取付ガイシ”を付けてから上下をカットして、本体が3.8mm高になるように作りました。


床板側の加工のようす。
取り付け場所はブレーキテコの隣り、中梁部分です。
トランスは片側が梁の補強板に乗るようにし、もう片側にはプラ片を追加し取り付け強度を確保。
ヒューズ箱は中梁をカットして、そこへはめこむようにしました。


取り付けてみたところ。
取り付け状態は画像のようになります。
市販パーツを使用する場合も一部梁をカットする必要があるでしょう。


以上で各機器の加工は完了です。
下は取り付け後の画像になります(この時点ではまだ接着しません)


各機器の配置。上がオハニ61改造車(2111番)。
各機器の配置はご覧の通りです(画像上)。
蓄電池箱と配電箱(キットではB15・B17)は裏側にt0.3プラ板を貼り、裏側の凹みを塞いであります。

16.床下機器の加工(オハユニ61改造車)

この項はオハユニ61改造車(作例は2116番)として仕立てる場合の、床下工作のようすです。
前項15.と異なる部分のみ解説していますので、合わせてご覧ください。
オハニ61改造車に仕立てる場合は次の 17.端梁の製作 へお進みください。


位置を変更する機器は、以下のとおりです。

■位置変更する機器(詳しい位置については後の画像をご覧ください)
 ・付加空気タンク(B13)┐
 ・補助空気タンク(A5) ┴この2つを入れ替える
 ・水揚減圧弁箱(A2)
 ・水揚空気タンク(A1)※孔開けず
 ・各流し管(A3、A6)
 ・水タンク(B14)※孔開けず

  偶然にも上のオハニ61改造車と同じですが、位置は流し管以外異なります。


水タンク位置の違い。下がオハユニ61改造車(2116番)。
水タンクの位置は画像下のようになります。
キットの指示に近いですが、それより1mmほど電池箱に寄せます。
取り付け足の延長や、ブレーキ引棒の加工方法は前項オハニ61改造車と同様です。

その他、水揚減圧弁箱(A2)、水揚空気タンク(A1)、各流し管(A3、A6)は、位置を少しずらします。
なお、付加空気タンク(B13)と補助空気タンク(A5)はキットの指示位置を相互に入れ替えるだけです。足の間隔も共通なので、取付孔はキットの指示どおりに開ければOKです。


それから、作例ではブレーキシリンダーの配管を真鍮線で付け直しました。


結局付け直したブレーキシリンダーの配管。
パーツの形状はほぼ合っていましたが、すぐ隣りに付く洗面所流し管と干渉するため、先の部分を短く作り直したのです。
なお、真鍮線はφ0.35を用いました。


洗面所との位置関係。
横から。上に来るのが洗面所の窓です。
再利用したコックが邪魔で真鍮線が曲げにくく、まだ少し左側に寄ってしまっています。
なお洗面所の流し管は自作品です。


床下機器配置。下がオハユニ61改造車(2116番)。
各機器の取り付け状態は画像下のようになります。
※この時点ではまだ接着しません。

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