TOMIX マニ50(旧製品)にテールライトを付ける

1.テールライト点灯化・室内装置の製作

テールライト点灯化加工とイス板(室内装置)の製作について解説します。


テールレンズのモールド部分に孔を開けたところ。
最初にボディーのテールライトに穴を開けます。
φ0.8ドリルで開けてから、φ0.8の針ヤスリで慎重に削り拡げ、φ1.0の光学繊維がすんなり入るように調整しておきます。

続いてテールライト基板を作ります。
ここでは電気街で手に入る電子パーツを用いて自作します。
電気街まで出向くのが難しいという場合は、通販を利用する手もあります。


テールライト基板の材料。
ここで用いる材料は画像のものです。

 ・CRD(定電流ダイオード):石塚電子 E-103 10mA ←チップタイプのS-103が最適
 ・赤色LED:スタンレー PR1101W 10mA
 ・ダイオード:東芝 1SS352
 ・コンデンサー:ムラタ 1μF 25V

 ・ユニバーサル基板:サンハヤト ICB-288GV(1.2mm厚)
 他、t0.1燐青銅板、導線(φ0.3真鍮針金)、ビニール線(被覆のみ用いる)。


LEDと基板部分を組み立てたところ(左)。
組み立ては、LEDのみ導線で並列に繋ぎ、他の素子は基板に穴を開けて埋め込むようにします。
(詳細はスユニ61のページをご覧ください)
t0.1燐青銅板で通電シューを付けたら、基板をビス(M1.0)で止められるようにして、最後にLEDを接続してやれば完成です。


基板の取付状態と、各素子の位置。
通電シューには少しバネを効かせ、通電板を兼ねたウェイトに接触するようにしておきます。
LEDの発光部がボディーに開けた孔から見えるように調整すればOKです。



テールライトの回路図。
コンデンサーは常点灯に対応するためのものです。
なお、LEDによっては並列接続すると2個で明るさや点灯タイミングがずれる場合があります。テストして合わない場合は、点灯電圧が少し高くなりますが、直列に繋いでください。
スイッチはプラ板で作るスライド式、下で解説します。


つづいて遮光カバーと一体のイス板を作ります。
もともとイス板が省略されているためです。


t0.5プラ板でイス板本体を作ったところ。ピッタリ乗るように現物合わせで調整する。
イス板本体はt0.5プラ板です。
15mm幅に切り、前後は床板に合わせたら、床板の突起(ガラス押さえ)・荷物扉・幌の取付ツメ・LED部分を切り欠いておきます。


裏面に付ける足の詳細。
続いて裏側の両サイドに足を付けます。ウェイトや、これから作るテールスイッチを乗せるスペースを作るためのものです。
これもt0.5板を用い、1.5mm幅の帯板としたものを、本体の切り欠きに合わせて一部カットして付けていきます。


さらに追加する各プラ材。
出来たら、さらに部材を追加します。
室内灯の通電穴部分にt0.5のリングを、台車取付部にt0.25とt1.0を貼り付けていきます。
リングは通電バネの破損防止用、他は台車ビスの受けと、ウェイトの押さえになります。
なお、ウェイトの押さえは、テールユニットの通電シュー部分のみt0.25板を1枚減らして、隙間を作っておきます。


台車とともにビスで止めた状態。
台車は元のビスではなく、M1.4x8mmのナベビスでイス板と共締めするように変更します。
そのままでは台車がすっぽ抜けるので、作例ではt0.3真鍮板で作ったワッシャを挟んでおきました。

ここまで出来たら、LEDのカバーを作ります。


LEDの遮光カバーを製作しているところ。
t0.3板でLED部分を覆うように囲いを付けていきます。
接着剤は瞬着を用い、接合面をペーパーで適宜荒らしながら組み立てました。


カバーが出来、床板と合わせてみたところ。
床板のリブにピッタリ合うよう調整し、ボディーにスポッと入るようにすればOK。
そして最後に、前面に導光用のφ1.2孔を開ければ完成です。
この孔の位置を決める際は、ボディーと仮組みしてテールの穴から印を付けると簡単です。
それから、側面ガラスの干渉部分も3mmほど切り欠いておきます。


次にスイッチを作ります。


テールスイッチの材料。
まず各プラ材を画像のようにカットして接着し、スイッチ本体とします。
ツマミはt0.5+0.3で作り、本体に穴を開けて取付強度を確保しました。
補強板(画像上)の小穴は接着孔、本体の長穴は床板のウェイト固定用ボスの逃げです。


スイッチの組み立ての様子。
本体と補強板は接着孔から瞬着で貼り合わせ、さらに裏側のツマミ前後に0.8mm角材を付けて補強兼ガイドとしました。
このガイドとツマミが2枚のウェイトの隙間に入るわけです。


テールスイッチの仕組みと、裏面に出た操作ツマミ。
床板には画像の位置にスリットを開け、ツマミを通します。
本体の先がうまく通電シューの先にスライドして入るように調整したら完成です。
なお、絶縁部分は片側のシューのみにしておきました。両側にして無駄な接点を増やすと不具合の元になるだけです。


続いて室内装置を作ります。


切り出し途中の室内仕切。扉と一体で作る。
主にt0.3プラ板を用い、扉のある仕切は3枚重ねで作ります。
実車の形式図をもとに、左右はガラスの分、上下は室内灯と床のかさ上げ分を除いた寸法で設計しています。


塗装が済んだ室内パーツ。イス板は両端をグレー、中央を暗い銀に塗り分け。
出来たらイス板と共に塗装します。
イス板はLED部分を黒で遮光してから、車掌室・デッキ部分をGM【35】ダークグレー、荷物室部分をステンレス銀(GM【39】アルミシルバー+クレオス【C28】黒金色+【C33】つや消しブラック)に塗り分け。
また仕切は白緑、車掌室内のみベージュ(調色)、扉は銀(タミヤ【AS-12】シルバーメタル)他、イス・洗面台などもそれぞれ塗装します。



組み立て前後の室内パーツ。
塗料が乾燥したら組み立てです。
ガラスは透明板をピッタリに切り出してはめ込み(一部GMの保護棒付ガラス使用)、各パーツを透明ゴム系接着剤でイス板に付けていきます。


組み立て後の車掌室部分を拡大。
組み立て後の車掌室部分です。
洗面台やロッカーなど、入り組んだ風変わりな配置を再現しました。
ちなみに、反対側に付くデッキ仕切は、何故か両引き戸が付いています。


ここまででテールライトの点灯化加工は完了となります。
テールライトの点灯化のみで済ませる場合は、この後ボディーにφ1.0光学繊維で作ったテールレンズを付け、裏側をツライチに削ってから組み立てれば完成です。

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