(2)ケガキ
続いてベースにレール位置や道路、川、農地などをケガきます。
配置パターンの落書き(^^;)。
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あらかじめ、紙に大まかな配置パターン(落書き程度の簡単なもの)をいくつか描いておき、その中からイメージに合ったものを選んで、それを元にケガキ作業を行いました。
ここで、風景を作る上で重要になってくる、時代や季節、地域の設定について少々説明します。
時代と地域は、手持ちの車両(旧客や国鉄色の交直流電車など)に似合いそうな1980年頃の南東北とし、架線柱を取り外し式にして電化・非電化の両方を再現出来るようにしました。イメージとしては磐越西線や奥羽線あたりです。
季節は初秋(稲刈り時期)に決めました。これは稲刈りの済んだ部分(刈田)を一度作ってみたかったためです。加えて、稲を刈入れる前の田も作り、「実りの秋」を強調することに。また畑には、稲刈り時期に合った適当な作物を植えます。
このジオラマの配置を簡単に説明しておきます。
まずレールですが、今回はベースの対角線に沿うような方向に配置しました。これは、車両を置いて撮影する際、アングルの自由度が増すためです。
また、前述のようにレールはカーブさせましたが、曲線半径は使用する予定のフレキシブル線路(KATO)をベース上で実際に曲げながら検討した結果、Nゲージとしてはかなり緩めの約600mmになりました。
レールはベース面に直接固定せず、ベースより15mmほど高くして大部分を築堤としました。こうすると、乗せた車両が引き立つばかりでなく、枕木より低い部分(川面など)もベースを掘らずに表現出来ます。加えて、撮影時にカメラを低く構えたときでも、画面下にベース端を写りにくくする効果もあります。
またレールの両端部は、手持ちの道床付きレール(TOMIX)と接続可能にします。
レール以外では、道路(舗装・未舗装)、水路を設けます。このうち舗装路と水路は、単調なレール周りにアクセントを付けるためレールと交わらせ、交差部分をそれぞれ踏切、鉄橋(デッキガーダー)として仕上げることにしました。そのほかの部分は基本的に農地(田畑)です。
実際のケガキ作業は、レール中心線から始めました。
鉛筆を用い、中心線を描き入れたら、それと平行に道床端のラインを入れます。道床幅はKATOのコルク道床に合わせて34mmとしました。
続いて道路や水路の位置をケガきます。
位置は踏切と鉄橋の部分を先に決め、あとはそれと自然につながるよう、フリーハンドでラインを決めたのち、幅がスケールに合っているかどうかに注意しながら描き込んでいきます。
今回は舗装道路を幅22mm(実物換算約3.3m)、未舗装路を15mm(2.2m)、水路を20mm(3m)くらいにしてみました。
その後、農地等の区画も描き入れますが、単調な景色にならないよう、区画の大きさにメリハリを付けたり、隣接する道路や線路に合わせて高低差を付けたりします。
このあたりは実物を参考に、極力不自然にならないよう注意しながら進めていきました。
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