ここのところ、というよりここ数年の間は車両工作ばかりしていたため、「たまにはジオラマでも作るか」と気楽に始めた“地面工作”。しかし、シーナリー工作は何しろウン年ぶりです。そんな‘気楽に’なんて出来るはずもなく、工作中事あるごとに「あーでもない、こーでもない、」と、いちいち悩んでしまう始末。やはりと言うか何と言うか、工作は遅々として進まないのでした・・・。
材料を一同に。ほとんどが余剰品です。 |
というわけで、自身しばらくぶりに行うこととなったジオラマ作りについての工作顛末記を、数回に分けてお送りしたいと思います。
なお、これを書いている時点では、このジオラマは当然のごとく(?)完成していませんが、その成否を含めて、事の成り行きをご高覧いただけたら幸いです。
工作を始めるに当たって、まずはジオラマの「仕様」を決めました。
仕様といっても大げさなものではなく、「サイズはどのくらいか」、とか「単線か複線(あるいはそれ以上)か」、「ポイント(分岐)等を付けるのか」くらいのことです。
今回はシンプルに、ポイントも勾配も無い一本の線路のみの配置としました。また、ベースは手元にあった余剰のベニヤ板(約300×250mm)を利用することとしたため、サイズは自動的にそれと同じか、それ以下になります(笑)。
続いて模型化する風景を決めます。
いろいろ考えてみましたが、今回は線路の周囲を田園地帯とし、建物も一切設置しないことに決定。これは「建物を作るのが面倒」という現実的な理由もありますが、このジオラマを観賞以外に「撮影台」としても利用する予定なので、それには建物が“邪魔”になると考えたためです。
またレールは、走る列車の姿に少しでも変化を付けるため、単純な直線ではなく緩くカーブさせることにしました。
なお、この田園風景ですが、複雑な配線が必要なポイント設置工作が無いだけでなく、ある程度の技術と経験が要求される建物工作も不要で、シーナリー工作初心者でも手軽に取り組める題材だと思います。
以下、実際の工作についてはページを分けました。
その1.から順にご覧ください。
(1)ベース製作
(2)ケガキ
(3)道床・道路・田畑などの芯材貼付け
(4)鉄橋(デッキガーダー橋)製作
(5)水面の表現
(6)レールの加工・固定
(1)草の表現
(2)稲田作り
(3)刈田の表現
(4)畑作物の表現
(5)樹木製作
(6)仕上げ
この工作では、ブランクがあったせいもあり、記事には無いところでいろいろ苦労しました。
特に、農作物の表現方法には散々悩みました。無い知恵を絞り、日常生活におけるちょっとした“間”にもあれこれ技法を思索したり、ホームセンターや100円ショップで使える物がないかとぶらぶら歩き回ったり・・・。
実際の製作時間より、考えている時間の方が数倍長かったと思います。(苦笑)
しかし、これをご覧になった皆さんが、少しでもジオラマ・レイアウト作りを始めてみようと思って下さると、作者の苦労(たいしたものではないですが)も報われるのでは、と考えております。
見慣れた模型車両も、風景の中では見違えるほど生き生きとして見えますよ。(^^)