クロスポイント スユニ50キットを組む

4.床板の加工

ここから下回りの加工を解説します。
※このキットはボディーが一体成型で既に形になっているので、作例では最初に床下から加工しています。

方針としてはGM床板(ただしキット付属ではなくキーストンプレート表現のある10系用を別に用意)を集電化加工して、テールライトと室内灯を付けられるようにしたいと思います。
また、基本的な構造はリトルジャパンのスユニ61と同様にします。

まずは台車中心間を詰める加工から行います。


リブを削除中。
最初に、床板上面にあるリブをニッパーでおおまかにカットし、平刀で残りを削ります。


平滑に仕上げた後。
そしてペーパーで平滑に整えておきます。

続いて、台車中心間をやや詰めるため、適切な短縮量を測ります。


台車位置の調整。カプラーの出具合を見て、一方を適切な位置に合わせる。
台車はKATOのTR47(ピン止め)を用いることにしました。現行のビス止めでもほぼ同じ加工でOKです。
床板に台車を付け(画像はφ3.2プラパイプを仮に差し込んで止めています)、幌を仮付けしたボディーにそっとはめ込んで、片端のカプラーの出具合を基準に床板を止めたら・・・


反対側のようす。
そのままそーっと前後をひっくり返し、カプラーの出具合を確認。
この床板(ナハフ11用)では1.5mmほど短縮すればOKのようです。


切り詰め位置を罫書いたところ。
確認が済んだら床板を外し、台車中心間をカットして切り詰めることにします。
作例では台車直近の横梁部分で詰めることにしました。
画像のように梁から1.5mmの位置に罫書き線を入れ・・・


レザーソーでカット後。
レザーソーでカットしたのち、画像の斜線部分を削って再接合します。


セロハンテープで仮合わせして確認中。
画像は仮にボディーにはめ込んで確認しているところ。矢印部分が切り継ぎ位置です。
台車の位置も適切になったようです(画像下)。


プラ材で周囲の隙間を埋めたところ。台車中心のプラパイプは仮付けです。
切り継ぎが済んだら、周囲の凹みをプラ材でぴったり埋めてしまいます。
台車中心から前後・左右が均等になるよう注意しました。
結果的に、台車中心間は92.7mmとなっています。(スケールでは93.3mm)


2枚目の切り詰め位置を確認中。
こちらは2枚目の切り継ぎ位置を確認しているところ。
2枚目は長いオハネ12用を用いたため、リブの位置が合うように2か所で切り継ぎました。
こちらも台車中心間が同じ92.7mmになるよう調整します。


台車集電板のスリットを開けているところ。
切り継ぎと周囲の調整が済んだら、台車集電板が通るスリットを開けます。
方法はスユニ60のページをご覧ください。


台車を付けて確認中。
加工後は台車を付けて首振りを確認します。
なお、プラパイプはまだ仮に差し込んであるだけです。

続いてそのプラパイプを固定します。


t0.5板で作ったドーナツ状の板(左下)と、それをはめて接着した床板。
まず、上面の穴にぴったり合うよう削って孔を開けたt0.5プラ板を、上からはめ込んで接着します。
接着剤はプラ用流し込みタイプを使用し、ガッチリ固着するまで待ちます。


その上にt0.3プラ板をはめ、プラパイプも準備したところ。
固着したら、下面の穴に合わせてプラ板の穴を丸ヤスリで削り拡げ、その上から今度はt0.3板を同様にはめ込んで接着します。
そしてそこにφ3.2プラパイプ(エバーグリーン)を突き当てて接着し、固着後にt0.3プラ板の孔もパイプの穴に合うよう削り拡げます。
なお、プラパイプは事前に穴をドリルでφ2.0に拡げた後、外周を軽くテーパー加工し、適切な長さに切り詰めておきました。(テーパー加工はピン止め台車を用いる場合のみ。ビス止めの場合は台車の穴が大きいので不要です。)


プラパイプ接着後の上面。
固着後、上面は画像のようになります。
中心の穴をφ2.0に拡げたのは、KATOのビスを素通しするためです(右下)。
ビスはこの上に付けるプラ材に噛むようにします。


次に、補強用のリブをプラ帯材で作ります。
t0.5板を1.2mm幅にカットしたものを4本立てるように付けます。


t0.5帯板のリブを4本付けた状態。
画像のように、中央に2本、両脇近くに2本付けました。間隔は中央の2本間が3.9mm、その両隣りが4.1mm程度で、接着はプラ用流し込みタイプです。
(画像では台車ビスが止まっているように見えますが、実際はかろうじて引っ掛かっているだけです。)
付ける前は柔らかかった床板が、固着後は必要十分な固さになりました。
ただ、中央のリブはもっと長くしても良かったかもしれません。


そして床上に「イス板」を付けます。
材料はt0.5透明プラ板を用いることにしました。透明にしたのは白色より固いためです。
15.2mm幅に切り出したら、111.2mm長にカットしてカエリを取り、中心線を罫書いておきます。


t0.5透明プラ板で作った「イス板」。台車ビスが通るプラ材も接着済み。
イス板が出来たら、台車部分にt1.2(角)・t1.0(丸、床面の穴に入るサイズに調整)を接着し、台車ビスを止める孔を開けます。
ポイントはプラ材の固着をしっかり待つ(出来れば一晩置く)ことと、台車中心位置を現物合わせで決める(穴からシャープペンシルで罫書く)こと。
そのあとφ1.5くらいの孔を開けて、ビスでセルフタッピングしますが、固い場合は無理にねじ込まず、少し丸ヤスリでテーパー状に拡げてから行うと失敗しにくいです。


台車ビス穴を作り、止めてみた状態。
加工後、台車とイス板をビスで止めてみたところ。
これで完成品に近い構造になりました。
透明なので構造が分かりやすいですね(笑)


この段階で、車高を調整することにします。
このキットでは床板止めが側面ガラスに付いていますので、まずガラスパーツを切り出し、ボディーにはめ込んで床板を合わせてみます。


車高をマニ50と比較。
レール上でTOMIXのマニ50(旧製品)と並べてみたところ。
KATO台車を付けているものの、まだ若干高いようです。0.5mmくらい?


側板裏側に付けた床板止め。
とりあえず0.5mm下げることにし、ボディー裏側に床板止めを付けます。
元のガラスの床板止めは裾から1.2mmの位置だったので、1.7mmの位置にt0.5・1.2mm幅のプラ帯材を付けていきます。位置は車端付近、台車付近、中央部の5か所ずつとしました。
なお接着の際は、ノギスの尻にある深さ測定部を用いました。
この後、ガラスの床板止めも0.5mm削っておきました。


調整後、再び比較。
固着後に再度比較してみたところ。
わずかに低いように見えますが、このまま進めます。
(→完成後はちょうど良い感じになりました)


車高調整の前後で床板のもぐり具合を比較。手前が加工後。
下から見るとご覧の通り。


拡大。
車高下げ加工前(奥)は横から梁が見えていたのに対し、加工後(手前)はTOMIXのマニ50(旧)と同様、側板裾より上に潜る形になりました。

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