クロスポイント スユニ50キットを組む

5.集電化加工・テールライトユニットの製作

床上に載る、通電板を作ります。
材料はt0.1燐青銅板で、カッターで3.8mm幅にカットしたら、両端から糸ノコで切れ込みを入れます。


カットして切り込みを入れた通電板を、床板に乗せてみたところ。青い印を付けた所は不要なので切る。
そして片端は切れ込みを入れた一方を外まで伸ばすようにします。


全体のようす。
全体像はご覧のように、リブの間にちょうど収まる形になります。


床上通電板とウェイトの寸法図。Not to scaleなので注意(笑)
各部の寸法は図を参照して下さい。
下で作るウェイトの図も一緒に載せてあります。


続いてテールライトの光源となる、チップLEDを加工します。
詳細はリトルジャパンのスユニ61のページで解説していますので、そちらもご覧下さい。


2つのLEDにそれぞれ導線を付けたところ。
φ0.3の真鍮針金(普通の真鍮線より柔らかい。ホームセンターで入手)を画像のように曲げ、一部ビニール線の被覆を付けてから赤色チップLEDにハンダ付けします。
LEDは比較的加工しやすい3.2x1.6mmのものを使用。2個のLEDの間隔が13.4mmとなるようにします。


基板はユニバーサル基板を切り出し、チップ素子の入る穴を開ける。
基板は1.2mm厚のユニバーサル基板(サンハヤト ICB-86G)から糸ノコで切り出し、他の部品が入るようヤスリ等で穴を開けておきます。
ダイオードとコンデンサー、そして定電流ダイオード(CRD)共にチップ部品を用いました。

そしてこれらをハンダ付けし、LEDと通電シューも付けていきます。


完成後、床板に止めたところ。
出来た後、床板にビス(M1.0)で止めた状態がこちら。
なお、こちら側は床上通電板を下に通すため、基板の裏側に角ヤスリで溝を掘ってあります。


テールライト回路図。マニ50とほぼ同じです。
 赤LED:スタンレー PR1101W(2.1V10mA)
 CRD(定電流ダイオード):石塚電子 S-103(10mA)
 ダイオード:東芝 1SS352(80V100mA)
 コンデンサー:ムラタ 1μF25V

スイッチはプラ製スライド式、下で解説します。


それからウェイトを作ります。


切り出したウェイトをはめてみたところ。
材料はt1.0真鍮板で、糸ノコで4x70mmにカットして、床上通電板の上に載るようにします。


固定用のピンと穴を加工した各パーツ(下)と、組み立て状態(上)。
そして床上通電板とともにφ1の孔を開け、床板上面にφ1弱のランナー引伸し線で「ピン」を植えて、固定出来るようにしました。
この辺りもリトルジャパンのスユニ61と同様です。
また画像では枕木方向のリブを2本追加してあります。テール基板の位置決め用です。


続いてテールライトの消灯スイッチを作ります。
例によってプラ板製のスライド式です。


t0.3板の2枚重ねで作ったスイッチ本体とツマミ、床板のスリット。ツマミは穴を開けて固定してある。
スイッチ本体はt0.3x2枚重ね・幅3.8mmほど、ツマミも同じt0.3x2で作って、床板に開けたスリットに通るようにします。
なお、スリット長さは7mmほどとし、スイッチが5mm程度スライド出来るようにしておきました。
また、スリットの位置は車体中心線上で、ブレーキ引棒に干渉しないよう、ブレーキシリンダーのテコの間に来るようにしています。

これがスムーズにスライドすることを確認したら、絶縁板を付けます。


絶縁板の位置を決め、リブをカットしたところ。
絶縁板部分のリブを現物合わせで切り取り、スイッチを実際にスライドさせながら絶縁板の取り付け位置を決めます。


t0.2透明プラ板の絶縁板と、それを付けたスイッチ本体。
絶縁板本体はt0.2透明プラ板です。取り付け部分は下にt0.13、上にt0.25板を付けて厚みを本体と揃えました。


出来たスイッチを床板に合わせてみる。
出来たスイッチを乗せてみたところ。
絶縁板の前後長は2.5mm。ここでは両端共テールライトを点灯させるので、両端で同じ加工をしています。


テール基板などと共に床板に組み込んだ状態。テール基板のシューも調整済み。
出来たら各部品を組み合わせ、テール基板のシューを適切にカット・曲げ調整します。ちなみに画像の状態でOFFになります。
また、上に乗せるイス板の下面、スイッチの部分にはt0.5・1mm幅の帯板を2本貼り付け(矢印)、スイッチのスライドガイド兼補強としました。


イス板・台車も付けた状態。
イス板と台車をビス止めすると、画像のようになります。
その他、イス板の端部裏側の、テール基板のシューと干渉する部分を削っています。


床板端部に出た、通電板を曲げる。室内灯用です。
最後に床上通電板の端を上に曲げておきます。
この部分を妻板裏側に当て、これから作る室内灯へ通電させる構成です。


ここまで出来たら、イス板上面にt0.3板を貼り足します。
こちらは床板の前後いっぱいまで伸ばし、テールユニットのカバーを兼ねるようにします。


イス板上面に貼る、t0.3板を切り出したところ。上は合わせた状態。
プラ板を15.2mmに切り出したら、LEDと幌のツメ、室内灯の通電シュー部分を切り欠いて、綺麗に収まるようにします。


端部の切り欠きを見る。
こちらは室内灯へのシューがある側。
若干余裕を持って切り欠いておきました。

出来たら貼り合わせる準備をします。


接着孔を開けたところ。カエリも除去済み。
下になるt0.5板にφ0.6程度の孔を多数開け、接着孔とします。
ドリルのカエリをしっかり平刀で取り除いておくのは言うまでもありません。


接着後のイス板。
接着は瞬着と流し込みを併用。瞬着を2/3の穴に、残りと周囲に流し込みタイプを流した後、適当な板(カマボコ板)にセロハンテープで貼り付けて、固着まで放置しました。
画像では反っているように見えますが、実際に反っているのは下のマットの方ですのでご安心を。(苦笑)


はみ出しを削った後の、端部を拡大。
そして固着後に、はみ出した瞬着を削ってやれば、貼り合わせ作業は完了です。


床板と合わせたところ。貫通幌のツメを避ける切り欠きも加工してある。
その後、床板の端に幌のツメを避ける切り欠きを付けておきます。


最後に、テールライトの遮光をします。


プラ材を付け、隙間を埋めているところ。
まず床板の端付近とイス板下面にt0.5プラ材を付け、床板との隙間を埋めていきます。
サイズは現物合わせです。


前端にも付けたところ。
さらに前端部分もプラ材を付けて塞いでいきます。
こちらは室内灯のシューが付く側。


床板と合わせたところ。
加工時は床板に時々被せてみて、適宜当たる部分を削って調整しながら行います。
画像のように、LEDだけ顔を出す形にすればOK。
ちなみにこちらはシューが付かない側です。


LED部分をプラ板で覆っているところ。主にt0.3板を使用。
そしてLED部分を覆っていきます。
まず横・後ろに帯板を立て、その上に被せるように板を付けたら・・・


さらに外側・前面にプラ板を付けたところ。
外側・前面と覆って、床板・ボディーと合わせながらすっぽり入るように外面をヤスリで整えます。


裏側。LED部分が袋状になる。
下面のようす。
接着は全て瞬着を用い、接合面をペーパーで荒らしてから行っています。


導光用の孔を開けているところ。
仕上がったら、前面に導光用の孔(φ1.2)を開けます。
この位置決めは、ボディーと組んだ状態でテール穴から行っています。

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