KATO オユ10の非冷房化

3.端梁まわりの工作

床板の端に端梁を付けます。
まず床板の端を0.3mmほど削ってベースとなるt0.3プラ板を接着し、カプラーの切り欠きを付けておきます。


床板端に付けた「ベース」の上に、端梁本体となるt0.3板を貼り付けたところ。
そして画像のように、t0.3板で端梁本体を作ってベースに貼り付けます。


裏側のようす。
裏面のようす。ベース部分がちらりと見えます。


下端を仕上げたところ。
つづいて両裾を斜めに削り、中央にカプラーの切り欠きを付けます。
カプラーはここでは台車マウントとし、R=243mmに対応させます。


裏面。
裏面のようす。両端は非常に細くなっています。


表面にリブを接着中。
出来たら表面にリブを付けます。
t0.13プラ板をリモネン系で立てて付け、固着後にはみ出した分をカット。
カットまで一晩置くのがポイントです。


端梁に付けるジャンパ栓。
続いてジャンパ栓を作ります。
丸い栓はTAVASAの電車用(PN-489)、電暖用はTOMIXのED75からコピーしたものをt0.5プラ板に貼り付けて取り付け足としました。


端梁に付けたところ。
そしてそれらを端梁の裏に順に接着していきました。
解放テコはφ0.25+t0.2真鍮板、電暖ジャンパのコードはφ0.3真鍮線、カプラはプラ材より。


裏面を見る。
裏面は適宜プラ片と瞬着で補強しています。
ここまでやれば、ポロッと取れることはありません。(^^;)


ボディーと合わせた状態。
ボディーと合わせてみたところ。


台車も付けたところ。
台車も合わせたところ。
ちなみに「津軽」のオハネフ12などもほぼ同じ方法で加工しています。


φ0.4真鍮線で作ったデッキ下のステップ。
続いて、デッキ下に付くコの字のステップを作ります。
φ0.4真鍮線を曲げ、側面をヤスって帯材に見立てたものです。


取り付け状態。
取り付けは床板側に孔を開けて行います。
エッチングパーツもありますが、こちらのほうが強度の面で有利です。


妻面裾に追加した突起。プラ片より。
そして最後に、妻板下端にプラ片を2つ付けて台形に整えておきました。
この突起は実物では貫通路両脇を屋根まで通っている柱の下端だと思います。


床板と組み合わせたところ。
床板と合わせた状態。
この角度では幌に隠れてあまり目立ちませんね・・・。でも無いよりあったほうが細密感がアップすると思います。

4.床下機器の加工

非冷房車の床下機器は冷改車とは異なるので、加工します。
なお、ここでは一般用の2000番台車の配置を再現します。


以前の加工状態を、冷改車(上)と比較。水タンクは今回作ったものを付けてある。
冷改車の床下と比較。
当初の加工では、ディーゼル発電機関係の機器(矢印部分、左から発電機・機関試験スイッチ・燃料タンク)を切り取ってありました。
なお、画像では水タンクが付いていますが、これは今回作ったもので、下で解説します。
それから冷改車の水タンクはGMパーツを付けたもので、元々は付いていません。実物は非冷房車と同じ短いタイプが付いています。(これものちに交換しました)

最初は水タンクを加工します。


GMの水タンクをカットし、断面にプラ板をはめたところ。
材料はGMの軽量客車用に含まれるパーツ「S」で、レザーソーで中央から2つにカットして使用します。
断面の凹みにプラ板をはめて瞬着で接着し、そのままヤスって11.5mm長に仕上げます。


新製した足を付けているところ。
元の足はカットしてしまい、t0.5板で新しい足を作ります。
幅4mm、高さ1.5mm。5mm間隔で2本付けます。


仕上がり後の水タンク。足の位置はオロネ10を参考にしている。
付けたら凹み内側にプラ片を付けて補強しました。
なお、U字の切り欠きは、言うまでもなくブレーキ引棒を避けるためのものです。
また材料の関係で同時に2個出来上がりましたので、残り1個は冷改車に回すことにします。


床板への取り付け状態。接着は塗装後に行う。
床板に付けてみたところ。
ちょうど梁とロゴの刻印が当たるので、ノミで削っておくことにします。


製作中の電暖ヒューズ箱。
続いて電暖ヒューズ箱を作ります。
t1.0+0.5プラ板で、画像のように繋げた状態でサイドを仕上げたら・・・


切り離して上下を整え、ディテールを付ける。
切り離して、ディテールを付けます。
t0.1プラ材と極細ランナー引伸し線より。


床板への取り付け状態。排塵送風機の隣りに付く。
トランス本体とともに、床板に乗せてみたところ。
トランス本体はスユニ61製作時に余分に作ったものを利用しました。
なお、この2つは非電暖車には不要です。


GMのトイレ流し管(左上)から作った、流し管風の機器を取り付け。
それから、デッキ側の台車付近に付く機器を付けます。
トイレ流し管を短くしたような形で、冷房車には付いていないようです。
模型ではGMのトイレ流し管(パーツ「J」)の上下を少しカットして流用することにし、真鍮線を植えて接着しておきました。

そのほか、空気タンクの位置が微妙に異なるようなので、付け直すことにします。
なお、冷改車はモールドの位置で合っているようです。


床板の空気タンク2個を削ったところ。
まずモールドを平刀やノミで削り取ります。


プラ板で穴を埋めたところ。
開いた穴をプラ板で埋めます。


平滑に仕上げ、梁を復元した状態。横梁はt0.4、縦梁(?)はt0.3より。
固着したらペーパーで仕上げ、無くなった梁をプラ帯材で復元。


ランナーから製作中の新しい空気タンク。
新しいタンクはランナーから作ることにしました。
バンドはt0.1プラ帯材を巻いて表現します。


足を付けているところ。
出来たらプラ片で足を付けます。
ここでは強度重視で中央部分も埋める形にしました。
ちなみに大は補助、中は付加空気タンクです。小は水タンクの脇に付く水揚用で、これは元々付いていませんでした。


床板に乗せてみたところ。
仕上がったら、一旦床板に乗せてみて、干渉する梁を削ります。


以上で床下機器の加工は完了、補助塗装したのち床板に接着します。


各機器取り付け後の床板。
機器接着後の床板。水タンクは仮付けで、塗装後に接着します。

5.車軸発電機の取り付け

車軸発電機の加工です。
オユ10では、基本的に両方の台車に1つずつ付きます。


ランナーから作った発電機本体と、プラ板製の取り付け腕。黒い部品は参考にしたTOMIX50系用パーツ。
TOMIXの50系用(TR230台車枠にモールド)を参考に、本体はランナーの枝(GMガーランド・T型ベンチレーターより)を利用し、一部半丸に削ってプラ角材を付け、取り付けシロとしました。
また、取り付け腕はt0.5板をt0.13板でサンドイッチして表面のリブを表現しています。


取り付け腕を台車枠の端に付けているところ。
取り付けはまず腕から。
画像のように切り欠きを付けてうまくかみ合うようにしたら、線材(φ0.3燐青銅線)を通して黄色いゴム系→瞬着で接着。
車輪に当たらないよう、適宜干渉部を削りました。


プラ板と瞬着で補強。
さらに上面にt0.3プラ板を付けて補強しておきました。
接合面はペーパーで荒らしてあります。

腕が付けばあとは簡単です。


腕に本体などを付けたところ。
先ほどの発電機本体を下面に付け、上面にも円筒形の部品をランナー引伸し線で作って付ければ、車軸発電機の加工は終了です。


車体と合わせて様子を見る。
車体と合わせてみると、発電機が若干出過ぎたような気がします。もう少し引っ込めた方が良いかも。


これで塗装前の加工は完了です。


仮組みしたところ。
仮組みしてみたところ。
水タンクとベンチレーターは仮付けです。

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